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2006年7月29日 (土)

東北温泉三昧その12、南花巻温泉郷の鉛温泉「藤三旅館」は癖になりそうな良さだった

24日に急遽宿泊を決めて電話予約した南花巻温泉郷・鉛温泉の一軒
宿「藤三旅館」は以前2回日帰り入浴したことがあり、湯の良さは分かって
いるのだが、かなり鄙びた感じの宿だったので部屋などがちょっと心配
だった。しかも、自炊棟利用なだけに心配はより大きい。なにしろ2食付
きで4100円ほどと信じられない値段。Dsc00697

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そんな心配は止めにして、途中で「でめ金食堂」、湯川温泉の「高繁旅
館」でのんびりと湯浴みをしてから国道107号、県道37号、県道12号
と走って50分ほどで藤三旅館に到着。途中には南花巻温泉郷の松倉
温泉、志戸平温泉、渡り温泉、とくに全国的に有名な大沢温泉が県道
12号線沿いに並ぶ。大沢温泉は人気のようで、駐車場にはかなりの数
の車が。鉛温泉は大沢温泉から3キロほど上流。大きな看板で右折し
て、そのまま右端の自炊棟の大きな駐車場へ。そして、自炊棟玄関に。
玄関に入って右に帳場が。玄関真ん前には日帰り客も利用可能な休憩
室がある。

帳場でチェックインの記帳をして作務衣風のユニフォームの男性従業員
の案内で2階の部屋へ。今回日当りのいい部屋と言うことで玄関上あたり
の18号室。自分の靴は持参して部屋の格子状の表戸を開けた部屋のい
わば玄関口に置いておく。部屋代は日当りの良い部屋と言うことで100円
高くなり4200円。これでテレビ見放題、部屋食になる。格子状の戸の内側
にはふすまで、鍵はかからない。部屋はきれいに清掃されていて、土壁に6
畳間、それに広縁。自炊棟なので廊下の奥にある調理場を利用したけれ
ば自由に利用できる。タオルや浴衣は宿泊代には含まれておらずオプション。
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鍵がかからず、一人泊なのでとくに金目の貴重品だけはビニール袋に二重
に入れて風呂にも持参した。部屋は畳もきれいで、建物が古いだけの話し。
旅館部も本館はかなり年季の入った建物なので、古いのがいやだと言う人
は旅館部の新館を利用すれば問題ない。風呂は有名な立ち浴する深い浴槽
の混浴が基本の白猿の湯、デザインが奇抜な白糸の湯(基本は男性用)、シ
ンプルな竜宮の湯(基本は女性用)、2年前の4月に新設されたばかりの男
女別露天風呂付きの桂の湯、自炊棟にある男女別の河鹿の湯と多く、湯巡
りをたっぷり楽しめる。

食事は夕食、朝食とも部屋まで持って来てくれ、食べ終われば廊下に出して
おけばいいシステム。すべてに渡りここの従業員の対応は丁寧で素晴らしい。
自炊棟利用の客に対しても実に丁寧だ。というより、従業員は自炊棟と旅館
部は完全に別れているよう。大沢温泉の対応もすばらしく、大沢温泉、藤三
旅館と自炊が基本の老舗旅館の対応は金儲けの臭いが感じられず心和み、
それに湯の素晴らしさがあって、真の意味での湯治が出来る。

チェックインして先ずは白猿の湯へ。部屋からは歩いて10秒ほど。5階建て
分ほどの吹き抜けの素晴らしい造形の浴場で、階段を2階分ほど下りて行く。
階段の下には浴槽に入っている人からは丸見えの脱衣場が。混浴だが、女
性にはかなり厳しい環境。だから、1日3回午前8時〜9時、午後2時〜3時、
午後7時〜午後8時半と女性専用時間が設定されている。それにしても、こ
の湯底から湯がこんこんと湧き出て来る自然の天然岩風呂は何回入っても
飽きることなく大満足だ。浴槽の深さがかなり深く、一部には座る部分もある
が基本は立っての入浴。一番深い場所では174センチの私で肩がほぼ湯に
隠れるほどの場所も。広さもかなり広い浴槽で湯はいつも新鮮そのもの。天
井が高く、湯煙の抜けも良いので長湯ができるのもご機嫌だ。
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藤三旅館自炊部の夕食タイムは午後5時からと早い。風呂に入ってまったりと
していたらすぐに5時に。あわてて部屋に戻ったらすぐに男性従業員(自炊部は
基本的に従業員は男性だけのよう)が食事を持って来た。温泉旅館のいやにな
るほど品数の多い夕食にうんざりしてる身にとっては実に量的にぴったりの食事。
かにのグラタン、マグロとカンパチの刺身、山芋などのぬた、かになどのすり身
団子あんかけ、ホタテ1個入りの茶そばすまし汁、珍しくも山芋もある漬け物、ご
飯で十分すぎる量と質。しかもそれぞれが味付けも抜群でとても美味しい。完
食してしまった。旅館料理はいつもかなり残してしまうのに、相当に美味しい証明
だ。これで4200円は安すぎる。と言うよりほかの旅館が高すぎるのか。冷めた焼
き魚や天ぷらなど出して恥ずかしくないのだろうか。
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この夕食がすっかり気に入り、1泊ではもったいないと急遽26日も宿泊すること
に。18号室が旅館の道を挟んで向かいにある商店の機械から出る音が異常に深
夜うるさかったので、部屋を変えてもらうことに。廊下の反対側の中庭を見る側の
28号室に翌日は変更。28号室は100円安くなって4100円。2日目の夕食もこれ
また美味しかった。メニューは牛肉と野菜の鍋、マグロの山掛け、タコのマリネ風、
野菜の煮物、鯛の切り身の入った茶そばすまし汁、山芋も入った漬け物、ご飯と十
分必要条件を完全に満たす料理。鍋の野菜ももやしなど入れずにタマネギ、茄
子、ピーマン、椎茸とシンプルでしかも素材がかなり良く、これまで旅館で出た鍋
では一番美味しかった。朝食も熱々のベーコンエッグ、のり、魚、ポテトサラダなど
十分な量で、朝食は旅館部もほぼ同じようだ。とにかく自炊部の4100円ほどの2
食付き得々湯治パックは温泉を楽しみ、健康な食事をするには最高の選択。これ
からもこの自炊棟宿泊はかなり利用するかも。
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風呂は白猿の湯以外もほぼ同じアルカリ性単純泉で、すべて豊富な掛け流し。旅
館部にある白糸の湯も川面を眺められる眺望の良さとデザインの奇抜さでかなり
のお好みに。旅館部にあると言っても、自炊棟利用の客も利用できる。基本的に
どこに宿泊していても風呂はすべて利用できるのも藤三旅館のメリット。日帰り温
泉入浴だけでも700円だけに自炊棟宿泊の4100円の料金の安さが際立つ。
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2年前に露天風呂付きで新設されたのが白猿の湯のすぐ横にある「桂の湯」で、川
を眺められる露天風呂もあり、人気は一番のよう。手洗いやトイレ、無料の貴重品入
れなども装備され、ごく普通の奇麗な温泉旅館の風呂。しかし、藤三旅館のイメージ
とはちょっとかけ離れたものであるのも確か。一般客を呼ぶにはやはりこの種の風呂
が必要なこともあるが。
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自炊棟にある男女別の河鹿の湯はいつも空いているし、洗い場も広く使いやすい。シ
ンプルな浴槽もいかにも湯治にぴったりでここもかなりのお気に入りに。あまり特徴の
ない湯だけに、じっくりと一日に何回も浸かって湯治するには最適の旅館だろう。その
湯に加えて激安の自炊棟宿泊。1週間や10日と長めの宿泊をして本当の贅沢を楽し
める旅館だ。Dsc00692

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コメント

藤三旅館の湯治棟宿泊は、わたしもやってみたいのでした。価格的にも魅力ですし、なんせ、湯がいい。マネージャーも女性専用時間にあの混浴に入りたいらしい。
いつかきっと、ここには行きたいです。

投稿: ごまちゃん | 2006年7月29日 (土) 19時46分

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