日中韓香港映画界が結集の映画「墨攻」は何を描きたいのかが曖昧。だが、単純な古代戦争スペクタクルとして観るならOK
昨日6日は前もって売りたい株を売買注文を出しておいて、銀座と
新宿へ映画3本をまとめ観に。そのうちの1本「墨攻」は日本、中国、
韓国、香港の映画界が結集した映画とか。あまり前知識もなく、も
ともとこの手の古代戦争スペクタクルものがわりに好きなので観た
のだが、戦闘シーンはかなりのエキストラを動員していてなかなか
の迫力。
まったく知らなかったのだが、この映画の原作は日本のコミックだ
とか。へエーそれをシナ人が監督し、キャストは日本人は出ていない
ようだが敵方の凛とした将軍を演じるのが韓国人とか多彩。それに
音楽と撮影が日本人。ここまで映画製作の多国籍化も進んでいる
んですね。一応反戦的メッセージがアンディ・ラウの役に持たせて
いるようだが、その人物が「戦いは相手をいかに多く殺すこと」だと
か言いながら敵方兵士を油まみれにして焼き殺すかなり残虐な戦
いの手法まで駆使するくせに、クライマックスの相手方将軍との一
騎打的場面では「もう無駄な死人を出すのはよそう」みたいなまる
で首尾一貫しないことを言うし、その人物がせっかく助けた国の王
様から恩を仇で返すような扱いを受けているのに、処刑される可能
性もある現場になぜか戻ったり、その戻った動機の一番が愛する
将軍の娘を助けるためとかなんだか展開がハチャメチャなのだ。
でも、まあいいかという気分では観られる。とにかく大量動員の戦争
シーンは大画面で観ている限り楽しめる。あまり難しいことは考えな
いで古代戦争スペクタクルとして楽しむだけならオーケーの映画だ。
反戦とかそういう夾雑物を考えると楽しめなくなる。嫌いな映画では
なかった。ほとんど知らなかった「墨家」というのをちょっとどんなもの
なのかを知りたくなった。「墨守」という言葉もこの映画のように墨子が
城を守る戦いに馳せ参じたことからきているようだしね。それに、こ
の映画の原作のコミックにも原作があるようで、酒見賢一の「墨攻」が
それのよう。新潮文庫にあるようなのでブックオフへ探しに行ってみ
るつもり。
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