最近の落語(落語家)ってまったく面白くも何ともなく、笑えないんだけど
昔から落語は大好きで噺を文章化したものを集めた本なんかを読
むのも好きだし、CD化されたかつての噺家たちの実演録音を聞く
のも大好きでかなりの数の落語CDを集めてもいるのだが、最近の
落語家の面白くも何ともない酷さはなんとかならないのか。
テレビで時々寄席での落語なんかを放送しているときがあるが、と
にかく楽しめない。差別用語禁止なんていう日本文化破壊の馬鹿ら
しい限りのことが蔓延しているから落語達も大変だろうし、噺家の話
し方、その題材自体がすでに時代から浮き上がっていることもあるの
だろうが、昔のCDを聞いていると音だけでかなり楽しめるのだから、
やはり現在の噺家たちの質が劣化しているだけなのだろう。
噺家たちが司会やバラエティに出たり、ときたま文化番組に出演した
りして文化人気取りをしたりしているのも落語自体の芸をすでに放棄
している証拠なのだろう。キネマ旬報に映画コラムまで持って、したり顔
で映画談義した上映画の監督までやる落語家がいる現状では落語そ
のものが忘却されていくだけの芸なのであろうが。この映画評論家気
取りの落語家の実演を聞いたことがあるが、まるで笑えなかった。
そういう危機感もあって落語家達が別のお仕事で稼いでいるのだろう。
林家三平という売れっ子だった当時リアルタイムで見て、何が面白いの
かさっぱり分からなかったうるさいだけの落語家まがいの芸人がいた。あ
の存在あたりが落語そのものの凋落の始まりだったんだろうね。落語家
で自殺したのがいるが、やはり笑いを芸にすることの厳しさに精神が維持
できなかったんだろうね。最近の落語を見ていて、少しも笑えないのに演
じている姿には同情を覚えるが、その笑えないということを自覚している
のだろうか。
三平の林家の二人の息子もまるで落語が面白くない。たまにする落語
を聞くとしらけるばかり。元々この二人、テレビに出演していても話が少しも
面白くなく、しらけるだけなのだが。なのにどうしてあれほどテレビ出演の
依頼があるのかまったく不思議な存在ではあるが。
たまたま日本テレビの「笑点」にチャンネルがあってしまった。日曜の昼間
から夕方なんてほとんどテレビを見ないので、実にこの番組を見たのは久
しぶりというより20年以上見ていないかもしれない。内容はたいして変わっ
ていないのね。そして、実に面白くなかったのは昔のまんま。テレビ界の最
大の不思議の一つに「笑点」というのがまだ存在していることがある。これ
ほどシラケ鳥が飛び回っているのは滅多にない。そして、出演している噺家
たちのなんとも冴えない耄碌状態には侘しさが全編に漂う。本当に笑える
古典落語を聞かせてくれよ。
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