NHKBSで放送の3時間特集「美空ひばり生誕70年」特番を見て、懐かしの映画とともにひばりの歌を堪能
今日はあまりに酷い映画「殯の森」を観て気分悪くなって、そのあ
と久しぶりに「ダイハード」をLDで観て口直しが出来た。その上に
さらに口直しとなったのがNHKBSが午後8時から11時まで3時間
枠で特集した「美空ひばり生誕70年珠玉の名曲:名唱と名画でつづ
るひばり物語」という番組。これを見て久しぶりにじっくりとひばり
の歌を堪能できてさらに大満足で気分良好となった。
ひばりの誕生日は1937年5月29日、亡くなったのは1989年
6月24日。わずか52歳の夭折だった。11歳頃から映画に出演を
始め、出演した映画数ははっきりしないが、160本前後。それがほ
とんどすべてが主演であり、中で歌を歌い、しかもその間にもレコー
ド録音を信じられない数をこなすというモーツァルト並の驚異的仕事
ぶり。映画自体は1960年代半ばまでということは、17〜8年間
に160本ほど出演なのだからまったく驚くほかない。
京都育ちの私だが、小学校前半まで毎週のように一家揃って東映の封
切り上映館に行っていた記憶がある。行っていた映画館は四条河原町
高島屋のうらにあったパレス映画。当時昭和30年代前半は日本映画
が活気に溢れていたのだろう。毎週のように東映の上映館では2本立
ての映画が変わっていた。我が家は基本的に映画と言えば東映だった。
松竹や東宝にはほとんど観に行った記憶がない。今は当時の松竹の小
津安二郎の映画なんかをビデオで収集して楽しむのだが、当時はもち
ろんそんな映画の存在などまったく知らないで、東映のチャンバラな
ど娯楽作を楽しんでいた。そして映画を観たあとはスター食堂かなん
かで食事して帰宅するのが最大の楽しみだった。東映とあわせて西部
劇など洋画も観ていたが、その後私が洋画一辺倒みたいになるきっか
けは「ベンハー」を観た時から。京都の松竹座で観た70ミリの巨大
な大スクリーンに展開する壮絶な戦車シーンに圧倒されてからだ。
それまで、とにかく幼稚園から小学校前半にかけての私の最大のアイ
ドルは美空ひばりと鞍馬天狗や怪傑黒頭巾などの大友柳太朗だった。
とくにひばりの映画は時代劇でも歌もあって楽しく、探偵みたいな役
をする現代劇なども楽しく最大のアイドルだった。
今日の特集を見ていたら、「花笠若衆」「ひばり捕物帖かんざし小判」
や「ひばりの森の石松」などの映画の一部を放送して、微かな見た記
憶が蘇ってきて感涙ものだった。「ひばりの森の石松」の富士山をバ
ックにしたお茶摘みさん達100人ほどがひばりの歌のバックでリズ
ミカルに踊るシーンなんて素晴らしいエンタテインメントになってい
る。まるで40年代のアメリカミュージカルのようだ。それにしても
これら映画の一部を見ただけでもひばりの演技者としての技量もすご
い。まだ20歳ちょっとである。信じられない才能だ。まさしく歌と
もども空前絶後の天才だ。でも、当時ってこの手の映画は評論家など
からは完璧に馬鹿にされていたんだろうな。アメリカ黄金時代のミュ
ージカル映画の傑作群が日本では一部評論家をのぞいて無視同然の扱
いだったのと同じものだね。まあ似たようなことは「殯の森」なんて
のが一部のアホからは傑作みたいな勘違いをされているのと同じだけ
どね。普段は音楽はクラシックばかり聴き、歌ものと言うとオペラを
マリア・カラスなどの全曲CDで楽しんでいるのだが、たまに聞くと
ひばりも実にいい。演歌系ではあと大月みやこがお気に入りだ。
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