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2007年8月14日 (火)

前作よりは少しはましだが、なぜ作り続けるのかさっぱり判らない映画「オーシャンズ13」

とにかく暑い。これほどの暑さが毎日続くのはあまりない。暑く
ても普通なら夕立が降ったりして暑さも少しは緩和されるものだ
が、今年は夕立がまるで降らない。だからいわゆる打ち水効果が
さっぱりないので夜になっても暑さが継続する。あまりエアコン
は使わない方なのだが、今年ほど使う年はない。とにかく何もす
る気が起きないので、涼しいところでぼけーっとするのが一番と
今日は映画鑑賞へ。そのあとは居酒屋でビールのコース。

観た映画は後に何も残らないのがいいので、これまで観たシリー
ズの前作2本自体がまるで記憶に残っていたない「オーシャンズ」
シリーズの第3作「オーシャンズ13」とスピルバーグ制作の典
型的ハリウッド映画「トランスフォーマー」の2本。

まずは「オーシャンズ13」だが、かつてのシナトラ一家出演の
「オーシャンと十一人の仲間」を40年ぶりにリメイクした「オ
ーシャンズ11」のシリーズ3作目。しかし、それほど面白くも
なかったオリジナルのリメイクというのもアイデア枯渇のハリウ
ッドの安直さの象徴なのだが、そのシリーズ化というのはさらな
る安直ぶり。まあ、どんな駄作でも適当にスターが揃っていれば
見に来る客がいてヒットしてくれるのだから儲ける方としてはこ
れほど手抜きできるものはない。

映画の概要を書くのも面倒くさいので、ALLCINEMAONLINEの
解説で間に合わせて

…………
ラスベガスのカジノホテルを舞台に、凄腕の個性豊かな犯罪チームが華麗に繰り広げる人気シリーズ第3弾。仲間の一人を窮地に陥れた冷酷な悪徳ホテル王にリベンジを果たすべく、再び集結したオーシャンズが立ち上がる。監督は引き続き「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ。今回はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットら、おなじみのレギュラー・キャストに加え、アル・パチーノとエレン・バーキンが初参加。
  “オーシャンズ”の古参メンバー、ルーベンは、これまで所有する全てのホテルで最高格付けの“5つダイヤ賞”を獲得してきた業界屈指のホテル王ウィリー・バンクと組み、ラスベガスに建つ巨大ホテルの共同経営を約束していた。しかし、突然バンクに裏切られたショックで心筋梗塞に倒れ、危篤状態になってしまう。その報せを受け彼のもとに集まったオーシャンたちはバンクに復讐を誓い、因縁の宿敵ベネディクトまでも味方に引き入れる。彼らの戦略は、この一件の発端となった超高級ホテル“バンク”のグランド・オープンに合わせ、ホテルの最新セキュリティと評判をズタズタにし、バンクを完全に破綻させること。そしていよいよオープン当日、オーシャンズの壮大なプロジェクトが始まる…。

…………ということです。

この解説でもそうだが、この映画の紹介ではたいてい豪華キャス
トということになっているが、本当にそうなのかが疑問。確かに
クルーニー、ピット、デイモン、パチーノと揃っているが、この
程度のキャストの映画っていくらでもあるんじゃないの。お子様
映画の今上映中の「ハリーポッター」の5作目なんて映画ファン
からすれば、イギリスの名優が勢揃いの超豪華版(少しも面白く
はないのだが)。まあ、ハリウッドの俳優とギャラは桁違いだろ
うけど。

今回の基本は、裏切られて無一文にされた仲間の復讐だ。なのに
その復讐の元になるパチーノがエリオット・グールド(大好きな
「マッシュ」や「ロング・グッドバイ」の頃は輝いていたけど、
今やすっかりデブのとろいオヤジ)を騙す部分がさっぱり観てい
る方に訴求力がない。パチーノが少しも悪に見えないし、騙し方
がサッパリなので、それに怒って復讐するオーシャンたちの気持
ちに入れない。というより、パチーノは最高のホテルを作りたい
と理想に燃える男に見えて、騙すような男には感じられないのだ。
復讐だけで2時間の映画を作るんだったら、とにかくパチーノを
憎たらしいほどの存在に描かなくては意味がない。しかもパチー
ノの右腕のエレン・バーキンがサッパリ活かされていない。バー
キンの持つ姉御肌風のキャラが出ていないし、媚薬でおかしくな
るなんてシーンはドッチラケだ。しかもえらくおばあちゃんに映
ってしまっている。バーキンの持つエロスがまるで出ていない。
バーキンをこの程度にしか表現できないなんてソダーバーグ監督
ってマジ駄目な奴だ。

そして、毎度のことだが、今回では復讐のお膳立てがあまりに安
易すぎる。究極のセキュリティと人事採用も厳しいはずのパチー
ノのホテルなのに簡単に従業員にはなるわ、内部情報をあっとい
う間に手に入れるわ、馬鹿高いトンネル工事のシールド機械も簡
単に手に入れて大規模工事を始めてしまうなど、すべてに渡って
緊張感とサスペンスが一切ないのだ。キャストではマット・デイ
モンとドン・チードルがもっとも活躍していて、クルーニーなん
ていなくても良いほど。ガルシアとカッセルなんてあまりにも無
理矢理の出演だ。それにホテル評価の人間に対するいじめ的扱い
も後味が悪くて、全編にわたりユーモアがない。ソダーバーグ監
督のセンスのなさなんだろうね。これほど過剰評価されすぎてい
る監督は希有だろうね。つまらない映画だが、前作のあまりにも
酷かった「オーシャンズ12」よりは楽しめる。前作が5点なら、
今作は25点ぐらいにはなっている。しかし、かなり面白かった
「ダイ・ハード4・0」なら90点だし、お馬鹿映画「アドレナ
リン」でも70点ぐらいだからいかに駄作かは自明だが。それに
してもあの今年の傑作のひとつ「300」がガラ空きだったのに
この駄作には一応客が入っていたから不思議だ。

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