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2007年8月15日 (水)

日本は世界最強の国じゃないかと思われるかもしれないノーテンキ映画「トランスフォーマー」

今夏最大の話題作で、大ヒットが最初から約束された映画が「ト
ランスフォーマー」だ。日本の玩具メーカーのおもちゃを基にか
つて20年ほど前に日米合作テレビアニメ、米アニメ版映画も作
られた素材(鉄腕アトムと鉄人28号世代の私はまるで知らなか
ったのだが)をスティーヴン・スピルバーグが製作、「アルマゲ
ドン」らのマイケル・ベイが監督のハリウッド究極のエンターテ
インメント作品。馬鹿暑い夏に何も考えないで金使いまくりの豪
華アクションを楽しめば言い訳だ。

どこかの宇宙空間から地球にやって来たのは一瞬のうちにどんな
機械にでも変身(トランスフォーム)出来る知性を備えた金属生
命体だ。彼らはヘリコプター、ジェット機、車、ラジカセなど様
々な機械に変身して地球に侵入していた。そして、その機械部品
を利用した形の戦闘ロボットに変身して人間絶滅を図ろうとして
いた。

その人間に敵対するロボット軍団を悪役に、彼らと数万年に渡り
闘って来た正義のロボット軍団が地球を舞台に戦いを繰り広げ、
なんだか判らないが「ロード・オブ・ザ・リング」のあの世界支
配を可能にするようなリングに匹敵する物質キューブの争奪戦を
する。キューブは大昔に地球に渡来していて、政府の秘密組織が
そのキューブと悪のロボット軍団のボスをダムの地下に冷凍保存
しており、それらを発見したのが主演の少年(シャイア・ラブーフ)
の先祖なのだ。そしてキューブの存在を示すものが少年の先祖が
残した眼鏡レンズに刻印されているために、少年は悪のロボット軍
団に追われるが、正義のロボットたちに助けられながら地球を救う
ことになる。

なんて筋書きを書いているだけで馬鹿らしくなる宇宙ロボットの
マンガ世界。スピルバーグが実子の楽しんでいたロボットを実写
映像で描いたVFXのすごさを楽しむのがすべての作品。それを大
作アクション映画「アルマゲドン」「パール・ハーバー」などの
マイケル・ベイが監督したんだからドラマ的中身ゼロでも機械か
らのロボットのワンショットでのあっという間の変身と街中をぶ
ち壊すまるでリアルかと思えるような戦闘シーンを楽しめばいい
作品に仕上がっている。とにかく映画が始まってすぐから最後ま
で140分間ノンストップでド派手なシーンが続く。車やヘリか
らの部品丸出しのロボットへの変身VFXは驚異の映像だ。それを
楽しむだけでも満足の映画。ただ、あまりに変身や戦闘シーンが
スピード感あり過ぎなので何がその場で進行しているのか判らな
いほどだが。変身シーンなどペキンパー映画のようなスローモー
ション映像があったりしてほしかったが。変身シーンに関しては
ロボットたちがあまりにゴチャゴチャしすぎていてスタイリッシュじ
ゃない。好みなら「ターミネーター2」のどんな生命体にも変身可
能な液体金属版サイボーグのほうが衝撃的だったし、チョーカッコ
良かったな。あと、車の変身に関しては変身と言えるかどうかだ
が、「クリスティーン」っていう恐怖映画の修復シーンのエロチック
な感覚は秀逸だったな。

あとヘリコプターと戦闘機の合体のような垂直離着陸機V-22オス
プレイや最新鋭ステルス戦闘機F-22などが山のように登場してく
るので軍事オタクは驚喜だろう。アメリカ最強の大宣伝でもあるが。
ただ、ロボット変身を見た主人公が「日本製に違いない。こんなす
ごいのは日本だけだ」みたいなことを言うのは世界的にも多数の人
間が観る映画だけに日本の超ハイテクノロジー技術の大宣伝になっ
ている。この映画を観た世界の人たちは日本に攻撃をかけるなんて
ことは怖すぎてしないことだろう。日本は変身ロボットまで作って
しまうんだから、と思うわけないか。

ベイ監督としては「ザ・ロック」以来の才能開花。コメディ要素も
たっぷりに何も考えないで観る娯楽作としてはご機嫌な出来だ。秘
密組織の責任者役のジョン・タートゥーロなんて可愛い柄パンツに
なってのコメディーリリーフだし、ロボットたちも変身のあと見得
を切ったりするんだからベイ監督も余裕たっぷりだ。ただ、あまり
に全編同じような変身やアクションの変化のない連続なので時たま
眠気が襲う時もあるので要注意。観たあとまったく心に何も残って
いない潔さは娯楽の鑑。正義のロボット軍団はスーパーマンのよ
うに地球に残って地球を守っていくようだから、シリーズ化は絶対
あり得るね。ハリウッドがその金儲けを逃すわけなしだ。

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