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2008年6月12日 (木)

スタローンの熱いメッセージが爆発する「ランボー最後の戦場」は渾身の戦争映画

ハリウッドのアクション映画と言うと映画ファンでもその内容
の単細胞ぶりを馬鹿にするのが定番だ。とくにヨーロッパ系の
芸術志向映画を異常に高く評価する人たちにその傾向が強い。
その映画がシルヴェスター・スタローンの映画となるとますま
す観る前から馬鹿にするんだろうな。

しかし「ランボー最後の戦場」はそんな柔な映画じゃない。元
々最初の「ランボー」もベトナム帰還兵の社会から阻害される
精神構造をシンプルなアクション映画として象徴的に描いたも
のであり、単純なアクション映画とは思えないほどにスタロー
ン演じるランボーは寡黙でペシミスティックな雰囲気に満ち、
戦いの中で見せる虚無感はアクション映画の枠を越えて大きな
魅力を発散していた。

その後に続く「ランボー2怒りの脱出」はベトナム戦争での行
方不明の兵隊奪還、「ランボー3怒りのアフガン」はソ連のア
フガン侵攻などそれぞれスタローンらしい時代へのメッセージ
を包含していたが、それが必ずしも第1作ほど成功裡に表現さ
れたとは思えない空回り気味もあり、ド派手なアクション映画
の枠を越えきれなかった。

しかし、今回の「最後の戦場」は違う。ランボー自身の雰囲気
が第1作の寡黙でペシミスティックな闘わざるを得ない男のス
トイックな精神を上手く表現し、軍事独裁政権に蹂躙されてい
るビルマの悲惨な社会・政治状況をスタローン流に映像表現で
激しく訴えていて、そのパッションの気迫が全編に満ちる渾身
の戦争映画だ。

ベトナム帰還兵ランボーは長い闘いの末に、タイ奥地のジャン
グルで蛇捕獲やボートでの運搬などで隠遁同然の生活をしてい
る。そこへ、ビルマ政府軍に迫害されるビルマの人々に医療な
どの救いを与えたいとキリスト教の独善主義にまみれた宣教師
や医者らが来て、危険極まりないビルマへボートで運んでくれ
と依頼する。どこまでも自分たちの正義を信じ込む白人たちだ。
ランボーは無謀だから帰国しろと言うが、執拗な依頼にボート
で危険なジャングル地帯を運んで行く。

しかし、彼らは山賊同然の政府軍に捕まり、その救助のために
ランボーはまたまた傭兵をボートで運ぶことになる。そして、
政府軍からの奪還と脱出。シンプルそのものの展開だ。奪還か
らラストまでほぼ全編が映画史上空前絶後とも言える戦闘シー
ンが繰り広げられる。

政府軍が住民の村で虐殺を繰り広げるシーンで、凄腕傭兵たち
が何もすることができない状況下、傭兵たちがただの老いぼれ
ボート屋だと思い込んでいたランボーが弓矢を武器に突然現れ、
政府軍をなぎ倒して行く場面の高揚感は映画の中の白眉。

しかし、スタローンはその場面に象徴されるようなヒロイズム
だけを表現するのではない。ランボーには戦うことに何のヒー
ロー性も見いださない。そこにあるのはあくまで人間への蹂躙
に対する怒りだ。ランボーが戦うことに徹する時に言う名台詞
「目的もなく生きるか、何かのために死ぬか、自分で決めろ」
はこの映画のテーマでもあろう。

しかし、ここまで銃器による人間の死をリアルに描いた映画は
希有だ。重機関銃によって人間は一瞬のうちにバラバラの肉片
になり、銃やナイフ、地雷で手足、頭部が吹き飛ぶ様をCGも
駆使して圧倒的な迫力で描く。理不尽な暴力には暴力で対抗す
るしかない哲学が徹底されている。その凄惨な表現があってこ
そ、戦争の悲惨さ、残虐性、愚かさが伝わる。

日本人ジャーナリストさえ市中で銃殺したビルマの独裁軍事政
権政府軍へのスタローンの熱い怒りそのものなのだろう。サイ
クロン被害でさえ独裁軍事政権の延命のために外国の援助を拒
否して自国民を死に追いやることしか出来ないビルマ政府だ。
その政府にまともな批判も出来ない日本の自民カルト癒着腐敗
政権に比しても、スタローンのメッセージの熱さは強烈だ。こ
の映画をB級アクション映画と貶めることしか出来ないシタリ
顔の批判には反吐が出るような気分になる。厭戦映画の究極の
姿でもあり、必見だ。

ただ、映画評論家気取りのあるサイトでも「ランボーが再びジャング
ルに戻ってきたにも関わらず、特殊部隊で培った能力を発揮するこ
となく、ただ夜陰に乗じてゲリラ戦を行い、夜が明けると機関砲をぶ
っ放すだけ。火薬と銃弾に頼った大味なB級アクションになってしま
った。・・・・・ビルマを舞台にするタイムリーな感覚とは裏腹に、描か
れるのは時代錯誤的な殺戮風景ばかりだ」なんて、
まあ最初から
スタローンのお馬鹿アクション映画という思い込みだけに思考を支
配されているようなアホ感想も多いがね。時代錯誤的な殺戮風景
ばかりってね、戦争で死ぬリアリティを追求するのがどうして時代
錯誤なのか。重機関銃で撃たれても血も出ず倒れるだけで簡単
に死ぬような映像こそ戦争を美化してきただけではないのか。今
回のスタローンの映像化は戦争で死ぬとはこれほど酷いことなの
だととことん突き詰めた結果ではないのか。日本国憲法を破壊して
戦争したくて仕方ないアホのアベシンゾーのようなゴキブリ政治屋
こそこういう戦争の凄惨さを糊塗して国民を騙しているのではない
のか。このランボーを観て、戦争って楽しくて素晴らしいものなんだ
なと思うような奴がいるだろうか。いればまあ、ブッシュやコイズミ、
アホのアベシンゾーのような国民が不幸になって嬉々としているよ
うなゴキブリだけだろう。

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コメント

最近とみに胸にサッパリ響いてこない
映画ばっかり見せられてますからね~

むやみやたりに切り刻んだり
ギャーギャー闇雲に怖がらせたり
そんな映画とは完全に一線を画くスタさんの
力作と感じました。

あの無残にも襲われる村民の姿・・・
逃げ惑うサラと一緒に私もおもわず
心の中で叫んでしまいました。

>厭戦映画の究極の姿でもあり、必見だ。

御意!!

投稿: viva jiji | 2008年6月24日 (火) 18時33分

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» ランボー 最後の戦場 [映画と暮らす、日々に暮らす。]
     観てまいりましたよ〜〜〜〜!!^^;      アクションもの、体育系映画ニガテなこの私がっ!!      常日頃、言うとります、キメ台詞、こきたいと存ずる!      ズランっと      ちょっとロンゲストですけど     ....... [続きを読む]

受信: 2008年6月24日 (火) 18時25分

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