久しぶりに聴いた素晴しいブルックナー演奏、NHKBShiで生中継したハイティンク指揮のコンセルトヘボウの名演
昨夜は久しぶりに素晴しいクラシック演奏を聴けた。NHKBShiで
午後9時から午前0時半までたっぷりと放送した「コンセルトヘ
ボウ管弦楽団演奏会」だ。ウィーンフィル、ベルリンフィルと並
ぶ最強のオーケストラのコンサートをコンセルトヘボウホールか
らの初めての生中継とかで期待感大。
司会は今やクラシック番組の司会を一手に引き受けている高橋美
鈴アナウンサーで、上品で控えめな知的な進行が好印象。ゲスト
に出ていた音楽評論家黒田恭一は現在71歳だが、なんだかそれ
以上の年寄に見えてしまい、もうテレビには出ない方がいいんじ
ゃないのって感じ。もともと評論と言ってもそれほど切れ味鋭い
訳でも厳しい訳でもなく、年齢が20歳以上上の吉田秀和ほどの
知的な味わいある文章を書く訳でもないのになぜかクラシック業
界やNHKなどで起用度大きい過大評価の評論家。今回のしゃべり
でももう一人のゲストであるオーボエ奏者宮本文昭(なぜだか知
らないが、オーボエ演奏から引退したとの話もあるが)から「先
生、先生」と言われていたが、ヨボヨボした表情からは生気もな
く、引退した方がいいんじゃないの状態。
まあ、ゲストの話(この手のコンサート番組では高橋美鈴アナウ
ンサーなどの司会だけで十分)などどうでも良いのだが、9時か
ら見ているのに生中継が午後10時15分頃から開始だった(な
らば午後10時からの放送開始にしろよ)ので、否応なくゲスト
のくだらない話を延々と聞かされるハメになったのだ。
今回期待感大だったのは、指揮が常任のマリス・ヤンソンスでは
なく、30歳前後でベイヌムの後任として常任指揮者に大抜擢さ
れて以来コンセルトヘボウとは50年ほどの付き合いになるベル
ナルト・ハイティンクが指揮するからだ。
私がクラシックレコードを買い始めた1964年頃にはすでに常
任として録音もしていたハイティンクもすでに80歳。死去した
時点のカラヤンと同じ年齢なのだ。しかし、登場したハイティン
クは年齢を感じさせない。それにしても、コンセルトヘボウホー
ルは改築も最近あったようで、素晴しい建築だ。そして、音響を
重視した設計になっているようで、フィリップス録音で聴かれる
膨らみのあるしっとりとした音響のこのホールならばこそと思わ
れる。
コンサートはシューマンのピアノ協奏曲イ短調とこれぞコンセル
トヘボウとハイティンクの組み合わせで聴きたかったブルックナ
ーの交響曲第9番の最高の魅力的な曲目。
シューマンの方のソリストはマーレイ・ペライアとこれまた私好
み。ハイティンクらしい渋々の選択だ。ペライアのピアノ、コー
リン・デイヴィス指揮で愛聴しているシューマンだが、今回の演
奏も淡々としたなかに表情豊かな演奏が繰り広げられて大満足。
そのあとがメインのブルックナーの第9番。クラシック曲の中で
もとりわけ大好きなブルックナーの交響曲、その中でも宇宙的な
世界が繰り広げられる7番、8番、9番だが、今回は未完成の9
番。宇宙の彼方からさざ波のように聞こえて来る冒頭のトレモロ
からもうブルックナーの世界に引き込まれて行くばかりの素晴し
い演奏だった。何も言うこと無しの名演。愛聴盤のフルトヴェン
グラー・ベルリンフィルの古い録音のグラモフォン盤、シューリ
ヒト・ウィーンフィル盤にも負けず劣らずの演奏だった。ハイテ
ィンクの正攻法な真面目極まる指揮がすべて良い方向へ行ったも
のだろう。
こんな素晴しい演奏を聴けた天上の時間。その合間の午後10時
からは自民政権の狗フジテレビが究極の自民マンセー番組「サキ
ヨミ」をやっていたのだが、ネット情報を見る限りいつものよう
にゴキブリ野郎どもが出演して小沢・民主党はめ込みの攻撃に終
始していたようで見なくて本当に良かった。そんなゴミ番組見な
いで、ブルックナーの至純な音楽世界に浸ったのが正解だった訳
だ。
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