南東北湯治主体温泉巡り10日間その15、肘折温泉「三春屋本館」
肘折温泉の中心部にある昔ながらの雰囲気がにじみ出る湯治
宿。これまで2回ほど玄関入ってすぐにある貸し切りの風呂
を利用しているが、その独自源泉を使用した風呂がお気に入
りで今回もお邪魔することに。
声をかけると、中国人だろうと思われる女性従業員が応対に
出て来たが、風呂の日の無料システムを知らないようで、ち
ょっと待ってねと奥へ行き、若女将が出て来て入浴どうぞに。
ここの目当ては玄関入ってすぐの左手にある三春屋独自源泉
の「三春屋源泉」が味わえる風呂。浴室は脱衣所から階段を
2〜3段下がったところにある少し密室感のある半地下状態
で、真ん中に一間四方の小振りな石作りの湯舟が。隅の岩作
り風の注ぎ口から静かに透明な湯が注入されている。
ごく薄く白濁の貝汁のような感じで、味は金気と炭酸風味が
する穏やかな湯。これまで2回入浴していて、静かに源泉が
湯舟に注がれて、湯面が鏡のようになっている静謐な湯舟の
趣がお気に入りの温泉。三春屋では組合源泉利用の3階にあ
るらしい浴室は利用したことはない。しかし、この素晴らし
い湯舟に浸かるだけで大満足。
浴室の窓の外は肘折温泉のメインストリートで、入浴してい
ると歩行者の話し声も聞こえて来る。そのなかで湯舟にじっ
と浸かっていると、聞こえるのはわずかに浴室内に響く湯舟
に注がれる湯音だけの至福の時間だ。窓ガラスからの光が満
ちる小振りな浴室は素晴しい。湯口に置いてあるコップで湯
を飲んでみると、わずかな鉄味に甘塩味で意外に美味い。
女性が利用する時には浴室の外に「女性入浴中」、家族利用
する時には「清掃中」の木札を置いておくので、安心して利
用できる。
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